事業者の皆さんへ

  1. 資力確保のために「保険」の加入が必要
  2. 保険に加入するためには着工前の申込が必要
  3. 建設許可業者と宅建業者は、資力確保が義務づけられます
  4. 毎年1回、保険付保状況の届出も必要です
  5. 保険の対象となる住宅の部位
  6. 保険期間と保険金
  7. 住宅保証機構「まもりすまい保険」適用の「ゆうゆう住宅」
  8. 受注(販売計画)から引渡しまでの手続きの流れ
  9. JVや施主による分離発注の場合の保険加入方法

1.資力確保のために「保険」の加入が必要

「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)」により、2009年10月1日以降に引き渡す新築住宅を請負う施工者や売り主に対して、住宅に瑕疵(欠陥)が生じた場合に瑕疵担保責任
(※)を果たすための資力確保が義務づけられました。

『瑕疵担保責任』
品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保法)」により、新築住宅の施工者や売り主は10年間、基本構造部分等に瑕疵(欠陥)がある場合に、補修したり、瑕疵によって生じた損害を賠償する責任を負います。資力確保の方法は、「保証金の供託」または「保険への加入」の選択となりますが、「保証金の供託」は、最低でも2,000万円の資金が必要になり、瑕疵による補修費用は事業者の負担となります。一方「保険」は、保険料(※)は必要になりますが、万一瑕疵が生じた場合には補修等の費用について保険金が支払われます。

※国土交通省は、
2000年4月に施行された「住宅の保険に要する費用について「住宅価格に転嫁することも可能であるが、具体的には個別の契約により決定される」(国交省HP「住宅瑕疵担保履行法に係るQ&A」)としています。

 

2.保険に加入するためには着工前の申込が必要

保険に加入するには、建築中に現場検査を受ける必要があり、 着工前に保険に申し込む必要があります。
なお、着工後に保険加入も可能ですが、検査料を含めた保険料負担額は通常の約2倍程度となります。

 

3.建設許可業者と宅建業者は、資力確保が義務づけられます

資力確保が義務づけられるのは、2009年10月1日以降に、新築住宅を引き渡す「建設業法の許可を受けた建設業者」及び「宅地建物取引業法の免許を受けた宅地建物取引業者」です。
ただし、資力確保が義務づけられていない事業者も、住宅品質確保法で定める瑕疵担保責任を負うことに違いはありません。万一瑕疵が生じた場合、補修等にかかる費用は大きな負担となります。保険の加入は任意ですが、施主に安心をアピールするためにも加入をお奨めします。

※住宅保証機構株式会社の保証事故データによると、2006年度の瑕疵に伴う平均補修額は1件あたり約200万円。基礎に暇疵があった場合は、1件平均750万円。

ただし買主または発注者が「宅建業者」である場合には、新築住宅であっても資力確保の義務付けの対象とはなりません。これは消費者保護の観点からは、一般の買主や発注者を救済することが重要であり、専門知識を有する業者間の取引は、法律による資力確保を義務付けてまで保護すべきとは考えられないためです。なお、「住宅品質確保法」に基づく10年間の瑕疵担保責任自体は、いずれの場合(許可業者・非業者を問わず)にも適用されます。

資力確保が義務付けられる対象者

 

4.毎年1回、保険付保状況の届出も必要です

資力確保を義務づけられる建設業者・宅建業者は、毎年3月31日の基準日から3週間以内に、建設業の許可を受けている行政庁に資力確保の状況を報告する義務があります。新築住宅を引き渡した建設業者が「供託」や「保険」の資力確保措置をしていない場合、又は許可行政庁への届出をしていない場合は、 基準日の翌日から起算して50日を経過した日以降、新たな請負契約を締結することができなくなります。 また、これに違反して請負契約を締結したときは、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられることがありますのでご注意ください。
届出には「届出書」と保険の場合は、保険法人の発行する「保険契約締結証明書」と「明細」、供託の場合は「供託書の写し」と「引渡し物件リスト」の提出が必要です。
建設業と宅建業を兼ね、請負契約と売買契約により新築住宅を供給する事業者は、許可行政庁と免許行政庁に対して別々に それぞれの供給分に係る届出を提出する必要があります。

◆提出時期

基準日(3月31日)から3週間以内
期限は4月21日となります。ただし、行政機関の休日に当たるときはその翌日が期限となります。

◆提出先

建設業許可を受けている行政庁
都道府県知事許可業者の場合は都道府県、国土交通大臣許可業者の場合は許可を受けた各地方整備局等になります。

◆提出書類

届出書(建設業許可業者用・第1号様式)届出書(宅建業者用・第7号様式)
※記載例はこちら → <記載例>
保険契約締結証明書の明細(保険法人が発行。内容を確認して提出)(※基準日前6月間において引き渡した新築住宅)
●保険契約締結証明書(保険法人が発行)(※基準日前6月間において引き渡した新築住宅)
1.見本(建設業許可業者用)2.見本(宅建業者用)
●供託書の写し(基準日前6月間において新たに保証金を供託した場合)

【注意】資力確保の届出をした事業者は、瑕疵担保責任がある期間において、基準日における期間内に引き渡した新築住宅が0件である場合でも、届出を行う必要があります。

0件での届出にあたっては、届出書のみでよく、保険法人から送付される0件での保険契約締結証明書の添付は不要です。

〈新築住宅の引き渡人戸数が0件の場合の届出書の記載例〉

届出書の記載例

 

5.保険の対象となる住宅の部位

保険の対象となる範囲

 

6.保険期間と保険金

保険期間と保険金

 

7.住宅保証機構「まもりすまい保険」適用の「ゆうゆう住宅」

ゆうゆう住宅は、国土交通省から保険法人に指定された住宅保証機構株式会社が取り扱う住宅瑕疵担保履行法に対応した保険「まもりすまい保険」の特定住宅に当たります。住宅保証機構株式会社は、保険法人の中でも、過去の実績や現在の運用体制において最大手であり、全建総連とは「ゆうゆう住宅」を通じて従来より深いつながりを築いてきました。全建総連は「まもりすまい保険」が適用される高性能な木造戸建住宅「ゆうゆう住宅」を組合員の皆さんにお奨めしています。なお、ゆうゆう住宅は全建総連の組合員しか利用できません。

 

8.受注(販売計画)から引渡しまでの手続きの流れ

宅建業者(売買契約)の場合の流れ

 

9.JVや施主による分離発注の場合の保険加入方法

分離発注における連名保険契約の留意点