2024.10.10

書記長談話 衆議院の解散・総選挙にあたって

物価高を上回る賃上げへ具体策を

 石破首相は10月9日、衆議院を解散しました。10月15日公示、27日投開票の日程で総選挙が実施されます。10月1日の臨時国会で首相に就任し、新内閣が発足してからわずか8日という現憲法下では最短の解散です。石破首相は「新しい内閣を信任してもらえるのか、主権者たる国民に問う」と述べていますが、石破新内閣がどのような施策を進めていくのか、国民に示された材料は余りにも少なすぎると言わざるを得ません。
 臨時国会で石破首相は所信表明演説を行い、「国民の納得と共感を得られる政治の実践」を強調するとともに、「国民を守る」として物価高を上回る賃金の実現を掲げました。厚労省が発表した8月の働く人の賃金は32ヵ月連続でプラスとなっているものの、この6月に27ヵ月ぶりにプラスに転じた実質賃金は、再び物価の上昇に追い付かずマイナスとなってしまいました。多くの世論調査でも国民が求める政策課題の第一には物価・経済対策があげられており、所信表明演説でも低所得世帯への支援や2020年代に最低賃金を1500円まで引き上げる目標が示されたものの、「物価高を上回る賃上げ」に向けた施策は明確ではありません。早急に具体的な施策を示し、物価高騰に脅かされている国民の生活不安を解消していくことが求められています。
 全建総連はこの間、建設従事者の高齢化と若年者の入職が減少していく中で、持続可能な建設業の実現に向けて、「建設労働者の処遇改善」「担い手確保・育成」「建設キャリアアップシステムの普及・促進」を内容とする100万人国会請願署名に取り組んできました。その結果、6月には参議院で請願の採択をかちとり、建設業法等の改正へと取り組みを大きく前進させてきました。
 こうした中で行われる今回の衆議院選挙を全建総連は、物価高騰に苦しむ国民生活を守る施策や政治とカネに対する国民の不信の払拭を求めると共に、建設業法をはじめ改正担い手3法の実効性を確保し、建設従事者の賃金・単価の改善、担い手の確保・育成やリフォーム市場の支援、建設国保の安定運営、アスベスト対策など重要な課題の取り組みの前進に向けた大切な機会ととらえ、各県連・組合がそれぞれの立場から奮闘していきます。全国の仲間の皆さん、投票に行きましょう。

2024年10月10日

全国建設労働組合総連合

書記長 勝野 圭司