2024.05.28

賛同議員数が過半数を突破

担い手3法が衆議院を通過
全建総連が参考人陳述

賛同議員は過半数の目標を突破しました

 61万人の総力を結集し請願採択を目指す「持続可能な建設業の実現に向けた100万人国会請願署名」は、5月20日現在、118万9769筆、賛同議員数は359人(衆:242人、参:117人)となっています。これで、署名への賛同議員数は全国会議員713人の過半数(357人)を超え、目標を達成しました。全国の仲間の取り組みに感謝申し上げます。

担い手3法が衆院通過へ 附帯決議で全建総連の要望多岐に

 3月8日に閣議決定された建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(入契法)改正案は、5月15日に衆議院国土交通委員会で趣旨説明が行われ、17日には与党質疑、21日には参考人質疑、22日には野党質疑が行われた後、公共工事品質確保法改正を含めた担い手3法が全会一致で可決されました。
 また、その附帯決議には、全建総連の要望が多岐にわたり盛り込まれました(以下に全文)。
 5月23日の衆議院本会議で可決、参議院に送られ、今国会で成立する見込みです。
 全建総連は21日の衆議院国土交通委員会の参考人質疑に勝野書記長が出席し、今回の法改正について賛成の立場で参考人陳述を行いました。全建総連が法改正に伴う参考人質疑に出席するのは、1961年以来2度目となります。

建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議全文(5月22日 衆議院国土交通委員会)

 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。
一 建設技能者の賃金水準の向上の観点から、その実態把握に努め、建設工事の労務費に関する基準を適切に設定するよう図るとともに、民間発注者からの理解を得た上で下請事業者まで適正な労務費が確保されるよう、積極的に働きかけ、周知徹底を図ること。また、そのために、建設業者による材料費等記載見積書及び標準労務費の基準の活用を促進すること。
二 デジタル技術の活用などによる建設技能者への支払賃金を確認する仕組みの検討を進め、建設技能者の賃金水準について、可及的速やかに全産業平均並みの引上げが達成されるよう、必要な措置を講じること。
三 労務費へのしわ寄せを防ぐ観点から、建設業者による労務費等の内訳明示や適切な価格転嫁のための請負代金額等に影響を及ぼすリスク情報の通知といった新たな取組が進むよう、発注者から下請事業者まで建設工事請負契約の当事者に理解しやすく制度の周知を図るとともに、雛形やガイドラインの策定等により円滑に導入できる環境を整備すること。
四 注文者の地位の優越により、立場の弱い建設業者が価格高騰等に伴う不利益やリスクを一方的に被ることがないよう、独占禁止法上の適切な措置を講じる等、実効性のある対策を講じること。
五 著しく低い労務費見積りによるなどのダンピングや賃金上昇の妨げとなる不適切な契約を是正するため、建設Gメンの機能や体制を強化するとともに、関係する公正取引委員会や厚生労働省、中小企業庁と連携し、監視や指導を強化すること。
六 労働者の有する知識、技能等についての公正な評価に基づいた建設業者による適正な賃金の支払いを実現するよう、労働者の適切な処遇の確保のために講じられた措置の実態を広く把握した上で公表し、必要に応じて指導するとともに、建設キャリアアップシステムの就業履歴の蓄積や能力評価判定を推進するための必要な施策を講じること。
七 建設現場で働く技術者及び技能者が週休二日を確保できる工期の設定が民間工事においても実現されるよう、下請事業者の実態や契約変更を含む建設工事の請負契約の締結状況を十分に調査し、その結果を踏まえ、工期に関する基準の在り方の見直しなど必要な施策を講じること。特に、後工程を担う設備工事業等にしわ寄せが及びやすい実態に鑑み、前工程で工程遅延が発生し適正な工期が確保できなくなった場合には、当事者が対等な立場で遅延理由を明らかにし、工期や請負代金の額の変更を協議できるよう必要な対策を講じること。あわせて、週休二日の確保が賃金に与える影響を把握し、収入の減少につながらないよう必要な取組に努めること。
八 本法の施行に伴い適正な工期や請負代金額の設定が図られることにより、工期の長期化や金額の負担増が生じ得ることについて、国民全体の理解を得る取組を推進すること。また、取組に当たっては、産業界や労働界といった実務に携わる者の意見を広く聴取すること。
九 技術者の専任要件についは、建設工事の適正な施工が確保されることを前提にしつつ、建設工事に関する技術の進展や関係団体の意見も踏まえて、必要に応じて見直しを行うこと。