千葉県内初の協定締結 大工職・工務店の増加へ
【千葉土建発】11月6日に千葉県内初となる建築物木材利用促進協定の締結式がホテルプラザ菜の花で行われました。協定式には千葉県から熊谷俊人知事、千葉土建からは鈴木中央執行委員長が参加し、互いに協定書に署名をして取り交わされました。千葉土建の以外には、(一社)千葉県建築士会、ちば木造建築ネットワーク、(公社)日本建築家協会関東甲信越支部千葉地域会の3団体も協定を締結しました。
建築物木材利用促進協定は、2021(令和3)年の木材利用促進法の改正に伴い創設された制度で、県と千葉土建が協働・連携して木材利用促進施策にとりくむことで、民間建築物における木材利用を促進することを目的としています。
協定締結にあたり熊谷知事からは「脱炭素社会の実現や、持続可能な社会の実現のためにも、協定を制度活用して木材利用を進めていくことが非常に重要」とし、その実現のために「各団体が木造建築物の設計・施工にかかる人材や建築大工の育成、林業、建築関係団体との連携、イベントを通じた木材利用に関する普及活動にとりくみ、県が講師派遣や意見交換などを通じて支援していく」とのべ、民間建築物での県産木材の利用促進や千葉県全体の森林管理の適正化に波及することを期待していると語りました。
鈴木中央執行委員長は「千葉土建は木造住宅の施工に係る大工技能者等の育成や地域工務店等の手掛ける建設現場において木材の利用を拡大し、日本および千葉県内の住宅・建築物における木材の利用を促進することで2050年カーボンニュートラルの実現等に貢献していくために、千葉県とさらに連携・協力し強化していく」とし、具体的なとりくみとして「住宅デーや土建まつり等の木工教室を通じて、木材のモノづくりの魅力を積極的に発信し、大工技能者等の担い手確保、育成と地域工務店等による木材利用の促進に向けてとりくみを強めていく」と意気込みを語りました。
千葉土建の協定の特徴としては、人材の確保と育成に力を入れてとりくむことにあります。
特に木材を利用する大工職が、2020年に行われた国勢調査結果を見ると、千葉県の25歳以下の大工職が560人と非常に少ない実態があり、今後の人口や生産労働者の減少を考えると更に厳しい状況と言え、そのような中で、木材を利用する工務店・大工職を増加させていかなければ、木材利用を更に広げていくことは困難といえます。
そのため、千葉土建では子どもたちを対象に木材利用の楽しさ、喜び、魅力を発信し、建設業に興味を持ち将来、工務店・大工等への就業へつなげていくことが重要と考えます。地域において木工工作教室などを積極的におこない、モノづくりの楽しさを体感してもらうことで、建設業・大工が子どもたちの職業の選択肢に入ってくるようにとりくみを強めていきます。