100万筆で20年ぶり採択を目指す
全建総連では、9月7~8日に行った第5回拡大中央執行委員会で、「持続可能な建設業の実現に向けた100万人国会請願署名」に取り組んでいくことを確認。03年に行った「建設国保の育成に関する請願」以来、20年ぶりの請願採択を目指して運動展開し、24年3月末までを集約期間、5月に署名提出集会を予定しています。100万筆を必達目標に、各県連・組合組織数の2倍(120万筆)以上を設定、紹介議員(賛同署名)400名以上をやり遂げ、提出をしていきます。旗開きや労災保険の年度更新、組織拡大等あらゆる取り組みと連動させ、各種法改正、制度・政策を実現するために、この請願署名を成功させましょう。
全建総連は、10月4日に100万人国会請願署名の成功に向けて、オンライン学習会を開催。50県連・組合から455人が参加しました。
開会挨拶で中西委員長は、建設産業は欠かすことのできない基幹産業と強調。一方で長時間労働、低賃金から若者の入職につながらず、産業の維持が困難な状況と指摘し、「魅力ある建設産業としていくために国会請願を行う。全建総連61万人の力で成功させよう」と力強く訴えました。
小倉書記次長から、国会請願の意義や背景にある業界の置かれている状況等を説明。はじめに、担い手確保・育成の必要性について説明した後、危機的な状況を打開するべく、CCUSの登録と能力評価申請の引き上げが必要と訴えました。
今年3月には、国交大臣と業界団体で概ね5%の賃上げを目指して取り組む申し合わせがあったことに触れ、「国と業界団体が本気で取り組みつつある。公共工事設計労務単価が11年連続で引き上げられ最高値を更新したが、全建総連賃金実態調査の結果とは乖離している」と問題点を指摘しました。
そこで、実際に現場労働者に賃金を行き渡らせるため、国交省の「持続可能な建設業に向けた環境整備検討会」がまとめた提言では、労務費を原資とする低価格競争を防止するためにダンピングの制限、下請による賃金支払いのコミットメントの制度化、CCUSレベル別年収の明示、著しく短い工期となる請負契約の制限が記述されたと報告がありました。
これらの提言を制度化・具体化を図るため、中建審・社整審合同の基本問題小委員会が行ったとりまとめで、「適切な労務費等の確保、賃金行き渡りの担保として、標準労務費を中建審が勧告。受注者による不当に低い請負代金の禁止、適切な水準の賃金等の支払い確保のための措置へ、法改正も含めて行っていく」と状況を説明しました。
厚労省で策定される第10次建設雇用改善計画について、「国交省の施策内容と連動する。若年者等の建設業への入職・定着促進による担い手の確保・育成、魅力ある労働環境づくりに向けた基盤整備、職業能力開発の促進、技能継承等大きな流れができる」としました。
これらの提言やとりまとめを受けて、全建総連として請願項目の実現と施策の実効性確保及び加速化を求めていきます。